
はしかは麻疹(はしか)ウイルスの感染で起こる、非常に伝染力の強い病気です。乳幼児がかかると重症になりやすく、昔は「命さだめ」と呼ばれるほどの病気でした。現在でも赤ちゃんや高齢者、基礎疾患のある人にとってはたいへん危険な病気で、近年もはしかで年間数十人の乳幼児が亡くなっています。赤ちゃんは生後6ヵ月ごろまではママからもらった免疫(抗体)があるので感染しませんが、最近では、大人のはしかに対する抗体自体が弱くなっているため、子どもがもらう抗体も弱い可能性があります。また、免疫が切れる生後6ヵ月ころは、一生でいちばん病気に対する抗体が減少する時期。はしかにかかりやすいのは1~6才の時期ですが、1才前でも感染の危険はあるといえます。
はしかは中耳炎や肺炎などの合併症を起こしやすく、ごくまれに脳炎を併発することもあります。脳炎は致命率も高く、マヒや知能障害が残るこわい病気です。 予防としていちばん有効なのは予防接種です。1才になったらできるだけ早く受けておきましょう。定期接種ははしか・風疹混合で、定められた年齢範囲内であれば公費負担(無料)です。保育所などに通っている子は、集団感染しやすいので9ヵ月ごろに予防接種を受けておくと安心でしょう。ただし、ママからもらった抗体が少しでも残っている時期にワクチンを接種すると、効果が低下することもあります。早い時期にワクチン接種をした場合は、1才過ぎに追加接種をすることをすすめます。

はしかの潜伏期間は10日前後。38度以上の発熱や鼻水、せきなどのかぜ症状から始まり、熱は3~4日つづきます。4日目になると目が充血し、目やにが出たり、目の中が真っ赤になって荒れてきます。目の中にコプリック斑という小さな粟粒大の灰白色のポツポツが数個から数十個あらわれると、はしかという診断がつきます。熱は3~4日でいったん下がりかけますが、もう一度上がり始めると、顔や首、胸のあたりに、赤く盛り上がった発疹があらわれます。発疹が全身に広がるころには、となり合った発疹同士がくっついて大きくなり、大小さまざまな発疹がまじった状態になります。

治療もかぜと同じく対症療法が中心です。中耳炎や肺炎を予防するため、抗生物質を用います。症状が重い場合は入院することもあります。苦しいのは発症後4~6日ごろいちばん苦しいのは、発症後4~6日ごろです。口の中の荒れもピークになり、顔がはれ、はげしいせきで子どもはぐったりしてしまい、親としてもつらいものです。
ふつうだと7日目までには熱も下がります。発疹も色あせて黒ずんでくるでしょう。せきはしばらく残りますが、日を追って全身状態はよくなり、食欲も出てきます。
完治するまで10日から2週間ほどかかることが多いようですが、はしかのあとはかなり体力を消耗しています。ふだんよりほかの感染症にかかりやすいので、無理をさせないようにして、親は念のため経過観察をしましょう。